ムコウギシ マデ トドク コノ ヒラッペタイ イシ
ここは鴨川。
五条大橋の下の河川敷。
僕は水辺にいると無性にしたくなることがある。
それは「水面石飛ばし」。
*
映画のなかでアメリはそれ用のひらっぺたい石を
常にぽっけのなかに入れていた。
そしていい石を見つけると
宝物を見つけたような嬉しそうな表情で
ちょっと得意げにぽっけに石をするりと
入れて「こんっ♪」って音がキュートだった。
*
五条大橋付近の河原は四条のそれとくらべると
人が少なくなるのでとってものほほんとした雰囲気。
投げるのにはもってこいの石がごろごろしているので
僕にとっては絶好の場所。
「よし!」
*
どれくらい時間がたったんだろう・・・。
気がついたら時を忘れるくらい投げつづけていた。
水面をすべるように飛び跳ねていく
このひらっぺたい石の軌跡のなんと美しいことか。
このスローモーションの世界が楽しくってしかたがない♪
川の中州には白鷺、青鷺、カモメ?(ありえない…でもいるのだ笑)、
ハト、カラス、スズメ、そして白と黒のストライプの水鳥。
上をみるとはるか上空を5,6羽の鳶がそれぞれの弧を描いている・・・。
*
それはそろそろ疲れてきた頃だった。
気だるく、余計な力が抜けた瞬間だったのだろう
ちょっとちっちゃいかな?と思ったこのひらっぺたい石を
低い姿勢でサイドスローまたはサブマリンの状態で放り出す。
その刹那、水面に着水した石は滑っていく
「1,2,3,4,5,6・・・コンッ」
岸辺に顔を出している岩にぶつかって沈んでいった。
そう、向こう岸まで滑っていったのだった。
もう少しアメリの気持ちを楽しんでいようと思う♪